頭痛の分類/症状と疾患 ②
緊張型頭痛のメカニズム 身体的・精神的なストレスが複雑に関係している
痛みは頭蓋外~頸部の筋収縮に伴う痛みが主体と考えられており、持続的な筋収縮により筋肉の循環障害をきたして、発痛物質が放出され、痛みがさらに筋収縮を引き起こすという悪循環を形成する、過剰な筋収縮を誘発する因子のうち緊張型頭痛に特有のメカニズムとして、頸椎支持性が低下していることと長時間のうつむき姿勢が原因となる
身体的なストレスによる緊張型頭痛
無理な姿勢や長時間のパソコン使用などによって頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、疲労物質(乳酸など)が筋肉に溜まり、これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられる、特に頸部の筋力が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えられずに頭痛を引き起こしやすい傾向がある。
精神的なストレスによる緊張型頭痛
身体的なストレスがなくとも、精神的なストレスのみが原因で頭痛を発症するケースもある。精神的緊張状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こす、緊張型頭痛には生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいと言われている、従って緊張型頭痛でも明らかな筋収縮を伴わないものも含まれる。
片頭痛のメカニズム 一般的に知られている2つの説
血管説
頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説、血小板からセロトニン(血管収縮作用を持つ)が放出されて一旦脳の血管が収縮する、その後、時間経過とともにセロトニンが分解・排泄されて減少することによって収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるとする
三叉神経血管説
三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌される、それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるという説
三叉神経からの情報が大脳に伝わる途中で視覚や聴覚、嗅覚を司る中枢(後頭葉や側頭葉)や嘔吐中枢にも刺激が伝わるので、光や音、臭いに敏感になったり、吐き気や嘔吐といった随伴症状が現れる。
群発頭痛のメカニズム
群発頭痛のメカニズムはまだ解明されていないが、内頸動脈の拡張が関与している可能性や体内時計のある視床下部の機能異常などが考えられています。
内頚動脈の拡張・血管壁の浮腫の結果、血管周囲の交感神経が一過性に障害されてホルネル症候群(縮瞳と眼瞼下垂)が起こる、以前は血管の拡張が群発頭痛の一次的原因と考えられていたが、最近は三叉神経核から上部頚髄の一側性の活性化がおこりその結果として内頸及び外頸動脈系の血管拡張がおこるとの考えが有力
※群発頭痛は飲酒によってさらに誘発される
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