卒業後の事をまず考えています。
スクール受講中は楽しいです。
どんどん技は増えるし、知識も備わってきます。
周りの人にやってあげる事でとても喜ばれますし、整体が出来るようになればなるほどどんどん楽しくなっていくと思います。
しかし、卒業後はご自身の力でやっていかなければなりません。
卒業後の方が遥かに長いのです。わかりきっている事なのですが、卒業後の事をまず第一に考えるのが教える者としての立場です。
だからこそ、最初に【解剖学アトラス】を渡します。
卒業後、絶対的に必要になる本が解剖学アトラスです。
この本を自ら開ける様になる事が当校のやるべき事なのです。
手技を教える事と同時に、解剖学に興味を持ってもらう。
これが出来なければいけないのです。
この本に興味を持ってもらうのはとても難しい事なのですが、そこを避けて良い事ばかり言ってその場を乗り切るような講師にはなりたくありません。
生徒さんの卒業後の事を考えれば考えるほど、下手な事は言えません。
卒業後は自分の力が試される事を、しっかりお伝えします。
その時に痛みを取る根拠になるものが、まずは解剖学です。
解剖学を避けて痛みを取る事はできないと思っております。
多くの人は、【個人の見解】に乱されます。
『YouTubeでこんなの見た』とか、整体で痛みが取れるのは結果論であり、そこに確証は残念ながらありません。
整体師は診断する事ができません。その時点で痛みが取れるなどと容易に言ってはいけないのです。
医者は絶対に下手な事は言いません。なぜなら誰より勉強しているからです。
勉強すればするほど、下手な事は言えなくなります。
絶対に治るだの、一秒で何々だのは全て個人の見解です。
そこに心が乱れる人になってほしくはない。
そう思いながら教えています。
痛みが取れる。その根拠となるものが今のところ解剖学だと思っております。
だからこそ、最初のうちに解剖学アトラスをお渡し、授業のなかでわざと頻繁に本を開いて見せるようにしています。
そうやって使い方を知る事が、卒業後に絶対に役に立つからです。
『治せる確証がないのに整体教えているの?』と思うのであればはっきりとお答えします。
『はい。そうです。治せる確証ないけれど、私は整体師として飯を食っています。』
そうお答えします。
絶対に治せる整体師の方が本当にいるのであれば、何百万でも何千万でも何億でも良いのでその人に学んでください。
例えば、なぜスポーツ選手は怪我をしてるのだろうと、なぜすぐに治らないんだろう、と考えてみてください。
答えは明白です。
治らないからです。
どんなにケアをしても怪我するのです。
怪我は本来、人間のもつ自然治癒力で時間をかけて治っていくものです。
整体はその自然治癒力を発揮させるものであり、一発で治すものではありません。
一発で治せる。そんな人がいれば、多くのスポーツ選手は怪我をしません。
どんな偉大なスポーツ選手も怪我に悩まされているのだから、一発で治せる人はこの世にいないのです。
素晴らしい手技なんて存在しないのです。
それでも。
整体師は必要とされるのです。
素晴らしい手技というのはないのですが、素晴らしい整体師は確実にいます。
全ては人なのです。
だからこそ、やるべき事を考え、必要なものを与える。
これだけできれば講師としては正解なんだと思っております。
卒業後は不安でしょう。
ですが、解剖学アトラスの使い方を知っていればきっとどんなことも切り抜ける事が出来るはずです。
整体師として出来る事を最大限に引き出し、個性も活かす。
それが出来るスクールでありたいと思っております。
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